20グラム

いつの間にか夏も終わり、台風の毎に温度と湿気が吸い取られていきました。夏は夏で湿度がたかくてやりづらいのですが、冬は冬で気温が低くてやりづらいのです。しかし、ここでしかできないことがあるわけでしてそれが「Hatta」の楽器を作り上げているのもまた事実なのであります。 もっともよい時期ともいえる秋にまたひとつマンドリンの制作を始めました。いつもと同じ型だけど同じものは二度ない仕事であります。 今回特にスプルースで感じた事が、いつも以上に頑固だということ。よっぽど変な木取りでもなかったように思いますが順目と逆目がはっきりしすぎています。表面の削りではさほど感 … Read More

研ぎの仕上がり三段活用

道具の仕立て刃物の仕立てというのは、制作に於いては基礎でございます。おおよそ学校等でも最初に習うことではなかろうかと思います。まったく手道具を使わずに楽器を作るのは実際無理であることから、当然といえばその通りの話なんですけど。 その研ぎ、ここ4~5年でようやく無難なところまできたかなと思っていますが、今後は制作の毎機会がある時に意識していく程度でやっていけばいいと思っています。 というのも、私の制作方法では刃物で最終仕上げというところがほとんどないため、ある一定以上の面を求めてもあまり意味がないからです。なので研いでいる時以外は刃物の仕上がりについて考え … Read More

削ぎ落とす

マンドリン作っているといつも思うことがあります。それは、果たしてどれだけ削り落として捨ててしまっているのか。毎回やろうやろうと思いつつもついつい時間に追われてやれていなかったのですが、今回は最初に覚えていたのではかってみることにしました。 まず、仕入れた材の状態から幅と長さをおとし、裏側の面をだし厚みをそろえます。そして接ぎ合わせます。その状態がこちら。おおよそ1,5kg。 仕入れた状態からだとすでにだいぶ減っていますが、これを基準として第一段階。若干わくわくしながら加工に入ります。外周を緩めに切って第二段階。 600g前後減ったでしょうか。ここからアー … Read More

ハンクラレポート

年に一度の東京での大イベントが終わりました。 名前を広める、Hattaの楽器を知ってもらうということから、楽器に対する評価、顧客との交流等様々な意義のあるイベントとして毎年出展しております。 今年は特にHatta所有者に何人かお会いすることができました。制作するだけではわからないこと、弾いていくうちに見えてくることなど貴重な意見を聞くことができ、今後の制作に活かしていきたいと思います。 会場の様子はいつも通りですかね。 左から、ウスレレテナーピックアップ付き、厚みが薄い分テナーを感じさせないホールド感にもかかわらず、テナーなりの音は十分でてきます。生音で … Read More

ハンクラ

ついに明日に迫ってきました、 TOKYOハンドクラフトギターフェス2016 準備万端であとは出発するのみです。まぁすべて整ったのは昨日の夜の事なんですけどね。。。 しかしっ!!今回は高級感ダダ漏れで参りたいと思います。 ちらりご紹介。 1本目。 Hatta と言えばマンドリン。色がめちゃ渋い感じに仕上がりました。 数年使ってグロス感が消えてくると、ヴィンテージの風格すら出てきそうな感じです。 2本目。 Hatta ukuleleの定番になりつつある、ウスレレテナー。 パールロープの存在感が抜群! 3本目。 今回のメインともいえるギター。 是非会場でご覧く … Read More

どうだ!!

胴だ!! ということでね、胴曲げをやりますよ。 厚みを整えた板、均一ではないので機械でぴゅーっというわけにもいきません。そも薄板を薄くする機械は持っておりませぬが。鉋を研いで頑張れば、なんとかなるもんです。 厚みが均一ではないので、向きや場所等の目印をつけておくのを忘れずに。セットaのスクロールのS。という風に。 ギターやウクレレよりもはるかに難しい(と思ってますが)マンドリンの胴曲げ。焦らず根気よくやらないと、割れが入ってしまいます。正直なところ、まったく割らずに曲げきるというところにはまだ至っておりませんが、支障ない程度に収まるようには曲げられます。 … Read More

ピンからキリまで

完成間近のマンドリン。 ツヤをだす前の水研ぎの状態が結構好きです。今からツヤ出ちゃうぜ~的なわくわく感が満載。早くツヤだしに移行したい衝動を抑えつつ、磨きむらがないように丁寧に磨きます。 鈍い光がたまらなくこれからの作業に対する意欲を掻き立てますな。 そして、満を持してのツヤだし。 ぴきゃーーん。 しかし、この作業も実に奥が深くてですね。一見するとピカピカでも、光をあててよくみるとキズがまだはいっているという状態はしばしばあります。太陽光や電球、蛍光灯などなど、手を替え品を替えぐりぐり見ちゃいます。 もうすぐ完成。あー楽しみ。制作者でないと味わえない至高 … Read More

マンドリンの甲板。 材を選び、接ぎをして木取りをし、削りだして仕上げようと思ったその時、 こんにちは\(^o^)/ ホントに急に節がでてきました。リアクション芸人なみのリアクションをとったとかとらなかったとか・・・ なんとかならんもんかと、ぎりぎりまで(なんならちょっと攻め気味に)薄くしたんですけど消えず、バインディングには届かないし、よほど濃い色でもつければ隠れるんですけどその予定はしばらくないし。 でもよくよく思い返してみるとその兆候はあったんですよね。避けられたことだけにショックがでかいです。 今はまだこれを商品にする度胸や自信がないので、今回はお … Read More

答えと正解

先日、春コートのコーディネート集みたいなウェブページを見ておりましたが、見出しは「合わせるものはなんでもよくて人それぞれの答えがあるはずです。」みたいな感じでした。 ふむふむまぁそうだよねとスクロールしていくと、「スプリングコートにはタートルニットを合わせるのが正解!!」と書いてあります。 どないやねーんと思いました。ははは。 今回マンドリンを制作するにあたりほんの微々たるところですが、制作のやり方を変えてみました。 工程を変えるというほど大げさなものではなく、アプローチを変えるという程度のものですが、今までやってきた自分なりの答えを少しでも変えるという … Read More

木を見る

2015年ももうあと数日を残すのみですが、例年ほど気温が下がっていないせいか、いつも以上に暮れの実感が湧きません。世間の年末年始の休日をチェックしつつ、作業に励んでおります。 新しい一本を始めるにあたり、ネックの制作にとりかかりました。角材の状態から、面をだして、形を切り出して、加工を始める。少し余裕を持って、動きをよく見ながら削って参ります。 決まっているのは、柾目でとる、ということだけ。最後にネックになったときにどのように表れるか、をよく見て楽しみながら削ります。 わざわざ北米からやってきてくれたんですから、最高に仕上げてやりましょう。